作品の感想

「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」の感想。有名作家の謎が明らかに?

何かを創作することに悩んでいる方、トラウマを抱えている方、そして何より米の名作家J・Dサリンジャーのファンの方に観ていただきたいです。
そして、サリンジャーの名前を知らなくても、学校や書店で「ライ麦畑でつかまえて」の作品名を聞いたことは皆さんあると思います。名作文芸となるとやや敷居を高く感じてしまい、本を手に取ることをやめてしまった方もいらっしゃると思います。しかし、この映画を観るとどのような苦難を乗り越えて「ライ麦?」を知ることができます。鑑賞後は「ライ麦?」も読んでみたくなること間違いなしです。

作品情報

出演: ニコラス・ホルト

監督: ダニー・ストロング

ストーリー&見どころ

1939年の華やかなニューヨーク。作家を志す20歳のサリンジャーは編集者バーネットのアドバイスの
もと短編を書き始め、その一方で劇作家ユージン・オニールの娘ウーナと恋に落ち、青春を謳歌して
いた。だが第二次大戦勃発とともに入隊し、戦争の最前線での地獄を経験することになる。終戦後、
苦しみながら完成させた初長編小説「ライ麦畑でつかまえて」は発売と同時にベストセラーとなり、
サリンジャーは一躍天才作家としてスターダムに押し上げられた。しかし彼は次第に世間の狂騒に背
を向けるようになる…。

アマゾンより

「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」のネタバレなしの感想

現在、ハリウッドで大スキャンダルを巻き起こしているケビンスペイシーが出演しています。しかし、彼の名演が素晴らしい。脇役ではないのですが、重要な役割を持っており、
彼がいることで主人公の苦悩をより際立たせてくれました。
また、主役のニコラス・ホルトのことは知らなかったのですが、彼の名演も光るものがありました。若者特有の葛藤を演じ分けていましたし、落ち着いた雰囲気も兼ね備えていたので、映画鑑賞後彼の情報を調べるまで彼の実年齢の検討がつきませんでした。
作品自体はライ麦畑ができるまでを描くのみならず、主人公を取り巻く様々な葛藤も描かれています。映画鑑賞後は、10代の頃にこの名作を読んでいなかったことを後悔しました。もし、読んでいれば、主人公を取り巻く当時の環境、そして苦悩がもっと理解できたでしょうから。




※ここからはネタバレありの感想になります。まだ見ていない人でネタバレはちょっと困るって方は見ないようにしてください。



「ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー」のネタバレありの感想

まず、最初に衝撃を受けたのが戦争のシーンです。私は文学事情から疎いので、サリンジャーが戦地に赴いていたことを知りませんでした。しかし、この作品では駆け出しの作家であるサリンジャーが戦地に行き、生涯に渡るトラウマを受ける様子が描かれています。戦争映画までの生生しい描写はありませんが、それでも戦争の過酷さがかなりセンセーショナルに描かれています。しかし、これがのちに彼を大作家足らしめることが知れました。
多くの創作者につきものなのかも知れませんが、彼もアルコールに溺れます。戦争のトラウマ、そして失恋がその原因となっているのですが、あれだけのヒット作を出した作家が酒に頼っている姿は、創作することの辛さを克明に示していました。失恋に関して言うと、サリンジャーが戦地に行っている間に彼の婚約者が有名喜劇役者チャップリンと結婚していたことには色々な意味で衝撃を受けました。
最後に印象に残ったシーンは、ライ麦?出版後の彼の生活様子です。なかなか、出版に漕ぎ着けることができなかった彼の作品がついに日の目をみます。一度も売れずに一生を終える作家が多々いる中で、大ヒット策を出した彼は大変幸せ者に見えます。しかし、出版後の方がストーカーに悩まされ田舎に隠居するなど、様々な苦悩を抱えていたことが衝撃でした。