純粋な気持ちと向き合わせてくれる「レ・ミゼラブル」(2012年)の感想

レ・ミゼラブル

主役のヒュー・ジャックマンはもちろん、美しく可憐なアン・ハサウェイや、ラッセル・クロウ
などの名優が観られるので、役者さん、女優さんを観ている面白さが、まずあります。

けれども、やはり、もう少しだけ、深く、
“贖罪”を中心に据えた、ヴィクトル・ユゴーの傑作であるこのストーリーそのものに注目をして観て頂きたいです。

映画をエンターテイメントと捉えている方はもちろん、
自分の本心、正直な心と、どう、向き合っていくのかに悩んでいる人には、特にオススメの映画です。


※この感想は書いて頂いたものになります。書いてくださった方ありがとうございました。

作品情報

出演: ヒュー・ジャックマン, ラッセル・クロウ, アン・ハサウェイ, アマンダ・セイフライド, エディ・レッドメイン
監督: トム・フーパー

ストーリー&見どころ

19世紀のフランスを舞台にした本作は、果たせぬ夢、報われぬ恋、情熱、犠牲、そして贖罪という、心奪われる物語を描き出す。これは、時代を超えて生き続ける人間の魂の証しなのだ。ジャックマン演じる元囚人ジャン・バルジャンは、仮出獄後に逃亡し、それ以来何十年もの間、無慈悲な警部ジャベール(クロウ)の執拗な追跡を受けていた。そんな折、バルジャンは工場労働者ファンテーヌ(ハサウェイ)の幼い娘コゼットの面倒を見ることを約束する。だが、その約束が彼らの人生を永遠に変えてしまうのだった。

アマゾンより

「レ・ミゼラブル」のネタバレなしの感想

いつの時代も、人は自分自身の人生に悩むようでありながら、生まれた背景や、その時代の影響を色濃く受けずにはいられないのが、人の一生なのでしょう。

個々の登場人物の様々な心情と、自由を求めるパリ市民の集団の心理、の双方を描いている物語の組み立てが最高に魅力的な本作です。

タイトルの「レ・ミゼラブル」は、フランス語で、「哀れな人々」という意味ですが、この大作を観ながら、
「ほんとうに哀れって、何だろう・・」
と、考えないではいられないのでした。

それにしても、勇敢な人が多く登場します。

自分の本心と向き合ったとき、そこから逃げたまま、一生を終えることもできます。

しかし、一度きりの人生を悔いなくいきるためには、
「己の心に、自分は正直か?」
と、問い続ける強さが、やはり、必要なのです。

自分にしかわからない胸のうちと向き合い、逃げたい気持ちや嘘をつきたいという弱さを克服するべく、
もがきながらも正直に生きていると、
外から見たその人の人生の状況はどうであれ、
本人にとっては、真の幸福を手にできるのではないか、ということをあらためて深く考えさせてくれる名作です。




※ここからはネタバレありの感想になります。まだ見ていない人でネタバレはちょっと困るって方は見ないようにしてください。



「レ・ミゼラブル」のネタバレありの感想

ジャン・ヴァルジャンは、自分の弱さから逃げて逃げて、という弱さを持った男性として登場します。

そのようなずるい人間は、実は観ている私そのもので、世間からの目をいつも意識して、取り繕っているのです。

それでも彼は次第に、人から信頼されたり、希望を与えらたり、大切に守り抜きたい女性に出会ったりしていく過程で、
自分自身を脇に置き、人を幸せにできる人間へを変わっていくのです。

そんな、格好いいこと、できるだろうか。

小説や映画の中に生きていない私には無理だと、何度も思いながらも、それでもこの作品に強く惹かれて繰り返し観てしまうのは、
やはり、自分の心に忠実に生きたいからなのだと感じます。

だって、正直にいきているときの幸福度は、
何にも変え難い幸福感と、本当は、わかっているから。

印象に残ったシーンは、次の3つです。

・工場の中で働くファンティーヌ(アン・ハサウェイが演じます)が、労働者の制服を脱いだときの、
桃色の美しい衣装の立ち姿になった瞬間のはっとする美しさです。

・ジャン・ヴァルジャンが、怪我を負った瀕死のマリユスという青年を肩にかつぎ、夜のパリの下水を全身汚水まみれになって、
警官シュベールと再び対面するシーンの迫力。

・警官シュベールが自死するシーン。荘厳さが漂うのです。

・コゼットとマリウスの結婚式での、若いコゼットの麗しさ。

最後まで物語を観て、十分納得、檀満足です。
ストーリーを貫く宗教観が、日本人として、理解してきれていないもどかしさこそはあるものの、
同じ人間として、時代、国境を越えて、ジャンバルジャンが生き抜いたその人生の足跡に、敬服しました。

本作は全編ミュージカル仕立てですが、ミュージカルの楽しさ、各曲の美しさも最高でした。

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